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330GT 2+2 Serie II 1966(再掲2008-10-21の記事) [1900年代 / Novecento]

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フィレンツェの“銀座通り”
トルナブオーニTornabuoniに佇む純白のフェラーリ。
美しいボディはカロッツェリア・ピニンファリーナの作品。
優雅で柔らかなヒップ・ラインが魅力的です。

ボディサイド高い位置の彫刻的なラインは、テールエンドまで延びて弧を描きリアデッキを一周します。
1963年のブルーバード(Datsun 410)などにも共通するモチーフです。
一見、常識的で目新しくもありませんが、元を辿ると60年代にピニンファリーナが、シボレー・コーヴェアのモチーフを換骨奪胎して完成させたデザイン手法です。

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1959 Chevrolet Corvair

シボレー・コーヴェア(コルベア)

空冷水冷対向6気筒リアエンジンというGMとしては革新的なコンセプト。

といっても当時アメリカで人気だったVWビートルの影響を指摘する人もいます。

前衛的なスタイルは、日本のプリンス・グロリア、ベルトーネ・デザインのBMW、

ミケロッティ・デザインのトライアンフや日野コンテッサなど、

世界のカー・スタイリングに大きな影響を与えました。

当初は人気を博しましたが、ラルフ・ネーダーの告発(テールへビーに起因するオーバーステアとスイング・アスクルの横転危険性の指摘)をきっかけに生産中止に追い込まれました。


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DATSUN BLUEBIRD P410 Source:Early Datsun.com http://www.earlydatsun.com/blue.html

ピニンファリーナ・デザインのブルーバード。

垢抜けした上品で都会的な佇まいです。

しかし日本市場では後方にむかって緩やかに下降するプロポーションを「尻下がり」などと評され、販売成績も直線的で大きく見えたライバルのコロナの後塵を拝する結果になりました。

この写真では肝心のヒップラインが良くわかりませんが


1965年のプジョー204にも同じモチーフがよりシンプルな形で繰り返されています。「尻下がり」はブルーバードに比べるとずっと微かです。

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Peugeot 204 Cabriolet pininfarina 1968(1966-76)

いずれも画像はリンク先

 http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Peugeot_204

 より引用(サイズのみ変更)。

1962年から1964年にかけて、ピニンファリーナは「コーヴェア・スタイルのイタリア的解釈」と呼べる習作に集中的に取組んでいます。

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1962 Chevrolet Corvair Pininfarina Coupé (I) 

Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm

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1963 Chevrolet Corvair Pininfarina Coupé (II) 

Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm


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1963 Fiat 2300 Pininfarina Lausanne Coupé


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1963 Fiat 2300 Pininfarina Lausanne Coupé Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm

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1963 Alfa Romeo 2600 Coupe Speciale

1965年型コーヴェアにインスピレーションを与えたと思えるデザイン。


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1963 Lancia Flaminia 2.8 Pininfarina Coupé Speciale 

Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm

 

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1963 Lancia Flaminia 2.8 Pininfarina Coupé Speciale 

Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm


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1963 Chevrolet Corvette Rondine Pininfarina Coupé (I)

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1963 Chevrolet Corvette Rondine Pininfarina Coupé (I)


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1963 Chevrolet Corvette Rondine Pininfarina Coupé (I)

 

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1964 Chevrolet Corvette Rondine Pininfarina Coupé (II) 

Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm

 

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1964 Chevrolet Corvette Rondine Pininfarina Coupé (II) 

Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm

このテールは「コーヴェア風」とは別の新しい試み。

 フィアット124スパイダーにそっくり応用されています。 


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Fiat 124 Sport Spider 1966-1985 Source:http://www.tom-tjaarda.net/cars.htm


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フィレンツェ郊外のヒストリックカー・ミーティングで。

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一番奥に小さく写っているのが124スパイダー。
手前のアルファ・スパイダー・デュエットは同時代、同じピニンファリーナですが、より古いルーツまで辿れる別系統のデザインです。


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画像はリンク先http://en.wikipedia.org/wiki/Fiat_124_Sport_Spiderより引用(サイズのみ変更)。

この時代、カロッツェリア・ピニンファリーナの中心的なスタイリストはトム・ジャーダ。ここにとりあげた車の多くも彼のデザインです。
例外はアルファ・スパイダーと、1966年の330GT 2+2シリーズIIのリ・デザイン。美しいが平凡な2灯式に戻されています。
トム・ジャーダは1961年から1965年にかけてピニンファリーナに在籍したオランダ系アメリカ人。日本では、ジウジアーロの後任としてカロッツェリア・ギアGhiaに移籍した時代の作品、デ・トマゾ・パンテーラとドゥヴィルDe Tomaso Pantera / Deauville、1969年と1970年の東京モーターショーで発表された、いすゞベレットMX1600 (Isuzu Bellett MX1600)I/IIで知られています。

彼の父ジョン・ジャーダ(John Tjaarda; Joop Tjaarda van Starkenberg オランダ〜アメリカ)も自動車史に名を残している人で、V8リア・エンジンの試作車、スターケンバーグSterkenburgは、最初の成功した流線型と言われるリンカーン・ゼファーLincoln Zephyr (1935)や、チェコのタトラに大きな影響を与えたと言われています。
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ジョン・ジャーダとスターケンバーグ              ジョン・ジャーダのスケッチ

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スターケンバーグとリンカーン・ゼファー

トム ジャーダの作品は以下のピンタレストのページでも紹介しています⇩


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再びトルナブオーニのFerrari 330GT 2+2 Serie II 1966。



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こちらは1966年当時のファクトリー・オフィシャル・フォト。
1964年モデルからヘッドライトとサイドのアウトレットのデザインを変更、
Serie II(シリーズII)と呼ばれています。

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トム・ジャーダ・オリジナルデザインの1964年型330GT(シリーズI)
発表当時は330GTと言われるモデルはこれだけ、車名も単純に330GTでした。


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前出、1962 Chevrolet Corvair Pininfarina Coupé (I)

ヘッドライトの形状に注目。

330GT(シリーズI)のディアルライト(4灯式)に応用されています。



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エンツォ・ファラーリと330GT。

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エンツォの隣はオランダ王子ベルナルド。
当時はこんな階級の人々に愛された車でした。

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330シリーズの元祖、330P
1964年のル・マン24時間レースでのグラハム・ヒル/ヨアキム・ボニエ
Graham Hill/Joakim "Jo" Bonnier組の330P。総合2位。
ちなみにこの年のル・マンの総合優勝もフェラーリで3.3ℓの275P。
グラハム・ヒルはモンテカルロGPに5回優勝した元祖モナコ・マイスター。
1999年に引退したF1パイロット、デイモン・ヒルの父。
ヨアキム・ボニエは、そのデイモン・ヒルの名付け親。BRM、ポルシェなどでF1に参戦、1968年のメキシコGPでホンダに乗って5位入賞したこともあります。
72年のル・マンで帰らぬ人になりました。


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偉そうな顔してフェラーリの前を塞いでいる小さな車については次回の記事で



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